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作り手と食べ手をつなぐ 匠が語る「素材」への思い

シャキッとしたレタス、彩り鮮やかなトマト、今の季節は無花果なども目を惹きます。色とりどりの素材がかがやき、多種多様なサラダが並ぶショーケース。季節ごとにその顔ぶれが変わり、つねに新しい発見があるのもロック・フィールドのお店の魅力です。今回は私たちがつくる惣菜に欠かせない素材への思いを紹介します。


ロゴから発信「SOZAI」「惣菜」「素材」

「RF1」のロゴを見て「あ、知ってる!」と気づいた方も多いはず。認知はあるものの、そのデザインから「アールエフぶんのいち?」と呼ばれることも少なくありません。この記事を読んでいる皆さんに「アールエフワン」と読み方を覚えてもらえると嬉しいです。

ロゴの一部にある「SOZAI」の文字。これは私たちがつくる「惣菜(そうざい)」を世界に発信する、そして自然の恵みである「素材(そざい)」のチカラを大切にする姿勢を表しています。ロック・フィールドが素材と向き合う姿勢をブランドのロゴからも発信しています。
私たちは素材の美味しさを余すことなくお客様に楽しんでもらえるよう、カットや調理法などにもこだわります。素材本来の美味しさを最大限に引き出すための手間ひまを惜しみません。
 
ロック・フィールドの旗艦ブランドであるRF1は1992年、働く女性が増え、日本人のライフスタイルが大きく変わろうしている時代に、家での調理時間の一部を誰かにサポートしてもらえたら……その役目を受けて誕生しました。惣菜が作る時代から、買う時代に変わり、日々の食卓のなかで、健康でいきいき暮らすために必要な惣菜として、サラダに情熱を注いできました。ロック・フィールドはRF1を起点に、さまざまな素材をサラダに変換することで多様化する食のニーズを捉えてきたのです。

サラダの匠に聞く、素材そして野菜への思い

そのサラダに無くてはならない素材が、野菜です。ロック・フィールドには野菜をこよなく愛する人物がいます。サラダの匠・早瀬達秋です。長年、RF1のサラダ開発に携わってきた早瀬に、素材そして野菜への思いを聞きました。

サラダ一筋40年!サラダの匠・早瀬達秋

-RF1人気のサラダ「30品目サラダ」にもたくさんの素材が使われています。どのようなこだわりがありますか。

「野菜を美味しく食べてもらいたい」その一心で作り続けています。100グラムに30品目以上入るように切り方もミリ単位で調整します。季節や収穫のタイミングによって野菜の味が変わるから、淡泊なら大きめに、濃ければ小さめに切ったりもする。形や色に特長があれば生かせるようにしたい。30品目も入っていたら分かるはずないって思うでしょ?これが分かるんですよ。だから、絶対に手を抜けない。
どの時期に、どの野菜を、どんな食べ方をしたら美味しいか、それを知ることに尽きる。そうすると、どのサラダでも調理の工夫でむだなく野菜を使うことができる。

緑の30品目サラダ
見た目の華やかさが魅力的な色付き野菜も特長を生かして

-素材といえば、早瀬さんが名付けた「RF(アールエフ)チリチリ」広く使われるようになりました。

早瀬が名付けたレタス「RFチリチリ」

2005年から種の会社さんと生産者さんとロック・フィールドが協力してつくり始めたレタスです。使い始めた頃はまだ種の番号しかなかった。ぱっと見た瞬間に「RFチリチリ」とひらめきました。今はオークレタスとして一般に流通しているからこのネーミングは社内の愛称。
ほどよい歯ごたえと甘みがあって、素直なレタスだと私は思う。他にはない淡い緑色で、サラダにすると同じ緑色でもメリハリが出る。フリル状だから見た目にも華やかだし、ドレッシングと絡みやすくてサラダに最適な素材ですね。調達担当と一緒になって彼らとやり取りをして安定的に使うことができるようになりました。

-早瀬さんはサラダに使う素材、そして野菜とどのように向き合っていますか。

「品種」か「作り手」かと言ったら私は後者。野菜ごとにたくさんの品種があるけれど、野菜は作った人によって味が変わるから。どれだけ熱心な人と、地域や畑と出会えるか。私たちのものづくりに共感をしてもらうだけじゃなくて、作り手(生産者)のこだわりや置かれている環境も理解して、お互いに納得して使わないと長い付き合いにはならない。私も生産者に直接会って話をするし、サラダを持って行って食べてもらったりもしますよ。

カワカミ蓮根の生産者 川上さんを訪問
選果場を見学する早瀬(左)と調達担当の倉角(中央)
さつまいも「蜜郎」の生産者 長谷さん(手前)を訪問
企画担当の田巻(左)と藤岡(右)と一緒に

作り手と食べ手をつないで、循環をつくる

私たちは伝統野菜や流通量の少ない野菜など価値ある素材に付加価値を加えて惣菜をつくっています。原材料の調達から企画開発、製造、販売まで一貫して行っているので、素材の特長や食文化、作り手の思いをダイレクトにお客様(食べ手)に届けることができます。そしてお客様の声や反応を生産者にしっかりと返しています。そうすることでお互いの顔が見えるようになり、良い循環が生まれ、生産者は作り続けることができ、お客様はより豊かな食生活を続けることができる。これが私たちの考える「サステナブルフードシステム」です。

ロック・フィールドが考える「サステナブルフードシステム」

生産者に継続して品質の良い素材を届けてもらうためには信頼関係を築くことが何より大切です。調達を担当する社員が定期的に生産者のもとを訪れてコミュニケーションをとったり、生産者の皆さんに店舗やファクトリーを見学してもらったり……。産地との相互理解のため地道にコツコツと、これからも取り組みを続けていきます。

次号からロック・フィールドと産地とのつながりを紹介していきます。